アレなホロテープ

秘密の同志に発見される事を夢見る電気羊が吹き込んだホロテープ

湊かなえ『リバース』に就いて

私の好きな作家さんで、湊かなえって方がいるんですが...って有名な方ですし皆さん知ってますよね。

友達に勧められて最初に読んだのが確か『告白』だったと記憶しています。

最初は「ああ、面白いけど不幸な要素が露骨過ぎる。そりゃ人は悲劇を求めがちだから人気はあるでしょうよ」なんて途中まで斜に構えて読んでいたものですが、出てくる一つ一つのアイテムが印象的で、思春期ならではの過剰な自意識もしっかりと表現されているし、中学校の一つのクラスの一人一人の生徒の顔が鮮明に浮かぶような描写も見事で、読み終える頃には読み途中でレッテルを貼って申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

それからは、すっかり魅了されて数々の作品を読ませて頂いているのですが『リバース』を読んだときに久々に最初に『告白』読んだ時のような感動を覚えました。
この作品は執筆過程が少し変わっていて、結末が最初に決まっていて逆算して書かれたらしいのですが、情報を小出しにする技術が凄くて、そうそう!ミステリーって面白いんだよね!って再確認させてくれる作品でした。

あと、主人公の友人で作品の軸となる広沢由樹の優しすぎて気遣いが出来過ぎて、それ故に多くを語らない所が、夏目漱石の『こころ』に出てくる友人Kを思い出しました。

本当に自分は悪いのだろうか、罪とは何なのだろうか、何に対しての罪であり償いなのだろうか、そもそも自分は罪から逃れたいのだろうか。

彼が言ってくれれば、あんな結末にはならなかったのかもしれないが、それは彼を否定する事と同じ様に感じる。

外に責める人がいなければ、自分で自分を責めるしかない。

自己嫌悪は際限なく生き地獄のような日々になっていく。

小さな嘘が大きな後悔になっていく。


上手く言えないけどそんな言葉が次々と頭に浮かびました。

纏められなくてすいません。


他にも色々と好きな作品があって書きたいのですがネタバレしても嫌ですし、私が書いたことによって作品との出会いを阻害なんてしたら悔やんでも悔やみきれないので今回は止しておきます。


おしまい。

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