アレなホロテープ

秘密の同志に発見される事を夢見る電気羊が吹き込んだホロテープ

小さな別れの儀式

あんなにも好きだった本を売っても僅かな小銭にしかならなくて、それでも握りしめた小銭で喉に引っかかった何かを流す為に缶ジュースを買うなんて経験は誰しもがあるんじゃないかと思う。

きっとジュースを上げるから本を手放しなさいと言われたら首を横に振るだろう。
でも誰かが貸して欲しいと言えばジュースなんて無くても貸すんだろう。例え返って来なくとも。

それは、お金が目的じゃなくて自分を構成してる要素を、視覚的に認識できる本を売る事によって新陳代謝をしたいと思ってるからだと思う。

人は臆病で変化を恐れる癖に変わらないと変われない自分に変わってしまう事を恐れて少しでも変われる方法を模索する。

好きな物を手放すのはいつだって辛いけど飲み干して凹んだ缶がリサイクルされてまた満たされるように、自分の中で空いた場所に何かを入れていきたいと願っているのかも知れない。